2024年11月27日(水)に、神職とめぐる1%の本紅抽出と紅づくり体験を開催しました。
この体験は、7月に実施した「神職とめぐる最上紅花の朝摘みと紅餅づくり」の続編となります。
谷地八幡宮の林さんとともに作る紅花シリーズです。
7月の紅餅づくり終了後、新たな体験の企画に乗り出しました。
それが、今回の本紅抽出体験になるわけですが、果たして本当に受け入れてもらえるのか葛藤がありました。
と言うのも、山形では本来、紅花栽培から紅餅づくりまでの加工を行っていたという歴史的な事実があります。その紅餅を最上川を使って酒田まで運び、北前舟で京都など西の方に持っていき売買されていました。
だから、紅餅から紅を抽出して紅を作ったり、何かを染めたりするのは京都や江戸にある紅屋や染め物屋などの仕事でした。山形ではそこまでやっていなかったんですね。
要は、7月のツアーは歴史的に山形の先人が実際にやっていたことをそっくりそのまま体験していただくファクトに基づいた体験なんです。言わば山形ならではの本物の体験です。
その体験に仕上げたからこそ県内外から多くの方にお越しいただくことができるようになりました。(今まで紅花を扱ったツアーは本当に売れなかったので涙)
ですが、今回実施した紅を抽出するという体験は、山形ならではかと言われたら一部そうだけど、一部そうじゃないみたいな曖昧な感じになってしまうのでこれが受け入れてもらえるものなのかという不安がありました。
ただやるからにはしっかりやりたいと思い、8月末に自分たちで実際にトライしてみました。
結論、大感動でした。
なぜなら、7月に自分たちで摘んで洗って発酵させて作った紅餅から、今回その続きを体験することによって山形の人たちがいかに尊い仕事をしていたかを感じることができたからです。
紅餅から1%の赤を取り出し、それで染められ着物を着たり、紅を塗ったり……貴族が愛し、庶民が恋焦がれた色の大元である山形での紅花栽培と紅餅づくりに改めて尊さを感じたわけです。
これならゲストの皆さんにも楽しんでいただけるだろうと思い、林さんと相談しながら日程を調整し今回に至りました。
どんなツアーやサービスでもそうですが、売り出したら果たして予約してくださる方はいるのだろうか、来てくださるのだろうかという不安との戦いになります。
今回もまさしくそうでした。
ですが、実際に予約受付開始するとすぐに反応がありました。
これまで過去のツアーに参加してくださっていた方、新しく興味をもって予約してくださった方からの予約が入り、本当に嬉しかったです。
実は、今手掛けている紅花のツアーは、日本遺産「山寺と紅花」に沿って、時期をまたぎながらストーリーで1本に結ぶことを心がけています。
映画で言う3部作みたいな感じです。
紅花ツアー1は、7月の「神職とめぐる最上紅花の朝摘みと紅餅づくり」
紅花ツアー2は、今回の「神職とめぐる1%の本紅抽出と紅づくり」
紅花ツアー3は、最終章にふさわしい究極の紅花染め「寒中紅花染め」
紅花の花びらから染めに至るまでを時期をまたぎながら体験できるツアーになっています。
ちなみに、どこからご参加いただいても楽しめる状態になっているので、寒中紅花染めが最初で、次に本紅抽出でも逆算的な楽しみ方ができます。
もちろん、順を追って体験するのも物語が繋がっていくので面白いし楽しいと思います。
話を戻すと、今回の体験はシリーズ2作目の位置付けになるので前作を超えた感動と最終章に繋がる布石をうっておく必要があります。
ということで、11月27日(水)に開催しました。
舞台は、紅と雛のまち河北町の紅花資料館です。ここは、紅花で財を成した堀米家の邸宅を紅花に関する資料館にした場所。
集合し、会場へ案内した後に私から紅花の歴史の振り返りや前回7月のツアーで行った、今作につながる部分の話をしました。
その後、林さんにバトンタッチして様々な説明をしていただきながら、実施に紅を抽出する作業へ。
詳しいことは言ってしまうとネタバレになってしまうので言及は控えますが、本当に神秘的で先人はなんでこんなことを思いついたんだろうと想いを馳せたり、心揺さぶられたりする体験です。
1つだけ内容を言うとすれば、抽出した紅で青苧(あおそ)を染めます。染めた青苧は、谷地八幡宮に奉納し、お祓いや様々な場面で使われることになります。
7月に作った紅餅から、1%の紅をいよいよ抽出するとなるわけですが、ここのドキドキと実際にでてきた時の感動があります。
参加されたゲストからも本当に嬉しいレビューをいただきました。
地域にある価値をしっかりと形にして、本物と言える体験をつくりその体験を通じて感動していただきたいという思いでツアーをやっているので、本当に嬉しいコメントをたくさんいただきました。
DMC天童温泉ができて、最も苦戦したのがこの「紅花」を活用したツアーでしたが、今となっては主力にもなり得るポテンシャルを秘めた山形の宝です。
シリーズ4作目以降があるのか、ゴジラVSコングのような他地域とのコラボ(対決ではなくて)みたいなこともやれればと思っています!
今回も谷地八幡宮の林さんには大変お世話になりました。今度からは、天童で種が見つかって復興していった……と説明を端折らずに、伊勢との繋がりで今の紅花があるということを多くの方に伝えていきたいと思います!いつもありがとうございます!
また、日本遺産「山寺と紅花」推進協議会の担当者の遠藤さんには暖かく見守っていただき、我々のやりたいことを形にさせてくださって本当にありがとうございます!
持続可能な企画になるよう関わってくださる全ての方にあまり負荷をかけすぎないでゆるく続けていければと思います。
次回は、来年の夏以降と冬に入る前で日程調整できればと考えていますので、興味ある方はぜひチェックよろしくお願いします!