こんにちは。DMC天童温泉の鈴木です。
2023年3月12日(日)に、剪定した枝で焼くりんごと希少ワインのペアリングアペロツアーを実施しました。
剪定した枝で焼いたりんごと天童に新しくできたワイナリーKELOSさんの希少なワインをペアリングしながら楽しみました!
今日は、こちらのツアーのアフターレポートをお届けします!
参加者は、天童温泉ほほえみの宿滝の湯に14:00に集合し、専用車に乗って出発!
最初に、KELOSの中川ご夫妻のもとを尋ねました。2022年、天童市内にオープンしたドメーヌワイナリーです。
ドメーヌというのは、主にフランスのブルゴーニュ地方で使用されており、ブドウ栽培から醸造・熟成・瓶詰めまでを自分たちで行う生産者のことを意味します。
2Fにあるワークショップや研修スペース「学び場」に集まり、中川さんの自己紹介やKELOSの設立経緯をお伺いしました。
実は、おふたりは埼玉から移住されてきました。(私と一緒です!)
長らく都会で暮らし、仕事もしていましたがワインが好きで好きで、そのうち自分たちでぶどうとワインづくりをしたいという想いで天童への移住を決意。
すごい行動力ですよね。
とても温厚なおふたりからぶどうづくりやワイナリーのご説明をいただきながら少しずつワインへの理解を深めていきます。
そして、いよいよテイスティング!
ワインのおいしい飲み方、少し頭を使った飲み方、楽しみ方、色々教えていただきましたが、最後は「自分がおいしいと思うワインをただただおいしく飲む」というのがシンプルでわかりやすかったです。
その後、ぶどう畑に連れて行ってくださいました。
3月は剪定の時期。今回のツアーの鍵にもなっている「剪定」を軸にぶどう栽培ご紹介いただきました。
果樹栽培の中でも重要な作業「剪定」
不要な枝や葉っぱを切り落として、元気な枝にちゃんと育ってもらい果実の成りをよくしたり、枝の成長を促す効果があり、生産量や品質にも関わることから生産者にとって命の次に大事な作業になります(大袈裟ですかね)
そんな、大切な作業を……剪定を……体験させてくださいました!
1本の枝を参加者みんなで少しづつ切りました。
貴重な経験になったこと間違いなしです!!中川さん本当にありがとうございます!!
栽培の中で印象に残ったのは、「除草剤」は使わず「化学農薬」はほとんど使わないということ。自然とともにぶどうづくりに向き合っている姿を垣間見ることができました。
そのため収量が少ないから、最終的にワインとして出せる本数も少ないんだとか。
ひとつひとつ丁寧につくってらっしゃるので、大量生産というわけにはいきませんが、これからの日本にとって大事な「手間(価値)」になると感じました。
これを知ってるだけでもさらにおいしく飲めそうです!
まだまだ肌寒い3月の空気。次に訪れたのは、まるつね果樹園の結城こずえさんのところです。
昨年、ラ・フレンチツアーでお世話になった結城さんですが今回はりんごでお世話になります!
りんごもちょうど剪定の時期。畑にはたくさんの剪定された枝がありました。
まずは、結城さんからりんごってどうやって栽培してるの?どんな作業があるの?という部分について色々教えていただきました。
先述したとおり、剪定はりんごにとっても大事な作業。果樹栽培の鍵になります。
ちなみに、普段の旅行で果物に触れる時って、だいたいが収穫のタイミングですよね。◯◯狩りって、当然その実が成っている時に楽しむものです。
それはそれで観光のひとつとして提供しつつも、実が成っていない時にこそ果樹に触れるツアーを我々はお届けしていきたいと考えています。
果物も、野菜も、工芸品も、すべてのものが出来上がるまでにいくつもの過程を経て、いくつもの困難を乗り越えて成果物になります。
その成果物を表面だけではなく、もっと深いところで感じていただきたいですし、過程を知ることでさらにおいしく食べることができると思っています。
今気づきましたが、成果物って果物が成るって書きますねー!
山形の食が、あなたの豊かな暮らしの+aになれるようがんばります!
と、熱い想いが爆発したところでツアーのレポートに戻ります。笑
今回のツアーのメインになる、剪定した枝で焼くりんごを作ります。
実は、剪定した枝を燃やした直後は火力が強すぎるので、午前中のうちに燃やしていただき午後になったら灰になるのでその中に入れます。
とは言ってもとっても熱いのですが。
焼いて出来上がるまでの時間で、参加者には運動がてら剪定した枝を拾っていただく作業を体験していただきました。
その後、畑の中に突如現れた(午前中のうちにセッティングしておきました!)アペロテーブルにて前菜からスタート!
そう言えば、アペロの説明をしていなかったですね。
今回ツアー名にも入っているアペロは、簡単に言えば夕食前に軽く一杯飲みながらおしゃべりを楽しむフランスの習慣のことを指します。
夕食をさらにおいしく食べるために、その前の時間帯はゆっくりお話ししながらワインをいただくという日本人的な感覚で言えば贅沢な時間の使い方ですよね。
前菜は、天童温泉屋台村と横丁のスペインバル「エスコンディーテ」で4種類のピンチョスをご用意いただきました。
中川さんご夫妻も合流し、KELOSのワインで乾杯!
それぞれのピンチョスに白と赤、どちらのワインが合うかを考察しながらペアリングを楽しみました。
そんな時間も束の間、焼きりんごができあがりました!
あつあつの灰の中からりんごを掘り出し、あつあつのうちにプレートの上でアルミホイルから出します。
とろとろになった焼きりんごに一同感動でしたね。
焼きりんごは、そのまま食べたり、レモンをかけて味変しながらいただきました。
裏話ですが、このツアーを企画するにあたって事前に中川さんと結城さんと事前に何度か打ち合わせを行いました。
その時に、実際に結城さんが焼きりんごをもってきてくださって、KELOSさんのワインと合わせてみたんです。
そうしたら、合うには合うけど何かが足りない。
そこで、中川さんの旦那さんからレモンをかけてみたらどうかとの提案がありました。
レモンの酸味をONすることで白に合うはず!とのことでやってみたら見事にハマったんですね。
この体験をぜひみなさんにもしていただきたいと思い、畑でも同じようにご提供させていただきました。
このように、食べ物とワインのペアリングに調味料を掛け合わせてあげると新たな世界が広がるようでとてもわくわくしました。
焼きりんごの後には、じゃがいもも焼いていたのでホクホクアツアツの状態でいただきました。
こちらは、醤油、塩、味噌の調味料をご用意。
KELOSさんの赤と合わせながらどの調味料が合うを試しました。
前情報によると、KELOSさんの赤は醤油に合うとのことでしたがいかに!!?
参加者のみぞ知るペアリング談義になりました。
夕日が沈みかけている畑からの絶景を眺めながら、中川さん、結城さんとは解散。
参加者は天童温泉に戻っていきました。
日々の忙しさから時間の使い方がどんどん雑になっていくこの頃……
のんびりと畑でワインを飲みながらおしゃべりする時間。
作り手とともに味わう、食やお酒。
かけがえのない時間だなと感じました。
また、生産者が大事にしている「剪定」を伝え、果樹の価値を改めて感じていただける機会をつくることで、消費者は納得して買うことができるし、生産者の顔が見えているからさらにおいしく食べることができると思います。
消費者と生産者の距離をぐぐぐっと近づけられるような山形ならではのツアーを今後も企画していきたいと改めて強く感じました。
来年も実施すると思いますので、その時はぜひ!アペロは違う時期に違う果物や作業をテーマに実施したいとも思っています!
こんなことできないの〜?といったご意見も頂戴できれば幸いです!
最後になりますが、ご参加いただいた皆様、そして一緒に企画を作り込んで実施した、まるつね果樹園の結城さん、KELOSの中川ご夫妻、本当にありがとうございます!!
それでは、またお会いしましょう!
text & photo 鈴木誠人(DMC天童温泉)