天童温泉ユニバーサル化プロジェクト
高齢者、子ども、障がいをもっている方、健常者、国内外どなたでも利用しやすい温泉地を目指し、2021年からハード面・ソフト面の整備を進めています。
2021年〜2022年にかけて、一般客室をHAKUというユニバーサルデザインの特別な客室に改修したほほえみの空湯舟つるやがさらに進化します!
全館畳敷きの宿を謳っている同館には、唯一畳が敷かれていない場所がありました。
大浴場です。
2022年度は、大浴場の改修に着手。ついに、大浴場まで畳敷きになりました。
今回も、ほほえみの空湯舟つるやに誕生した新しい畳敷き大浴場をご紹介します!小さなお子様連れのご家族や、高齢のご両親との親孝行旅行に最適なので必見です!
新しくなった大浴場へ向かう廊下も当然畳敷きで、素足で歩く喜びを感じることができます。
おしゃれな扉の向こう側には、脱衣所が広がります。
よく見ると、ロッカーが市松模様になっています。さりげなく和のデザインを散りばめてくるところ、さすがです。畳も市松模様になってますね。
男女両方とも、ベビーベッドが設置されており小さなお子様と一緒に入っても設備がしっかりしているので安心です。オムツ用のゴミ箱もありました。
扉の鶴も優雅な空間を演出しています。いよいよ、お風呂の中へ。
足を踏み入れると、本当に畳敷きでした!大浴場特有のヒヤッとした感じがなく、また滑りにくさもありました。畳だと暖かみがありますね。
露天風呂も元々段差があったところをフラットにして、浴槽に入りやすいデザインに改修されていました。
また、お風呂からあがって髪を乾かす際に使うドライヤーですが、つるやではダイソンを設置しています。せっかく旅館に泊まりにきているのだから、良いものを使ってほしいというオーナーの想いが熱風とともに感じられます。
ひのき風呂として定評があった、大浴場を畳敷きにしたことでさらに入りやすく、寛げる空間に生まれ変わりました。
オーナー山口裕司さんにお伺いしました。
ーーなぜ全館畳敷きにこだわるのか?
「日本文化の象徴である畳は、近年国民生活の中でもどんどん無くなっています。旅館でさえ畳の使用が減ってきている現代において、日本の大切な文化を後世に残すべく、そして現代人に畳で過ごす非日常を味わっていただきたく畳にこだわっています。」
ーー大浴場まで畳を敷く発想には驚きました!
「畳にこだわる当館だからこそ、この際大浴場も畳にしちゃえ!と考え、改修を行いました。」
「防水の特殊な畳にする事は、日本らしい設えはもちろんの事、畳のクッション性と滑らない床面(もし転んだとしても安心)で高齢者から子供、外国人旅行客にまで安心安全な入浴をしていただける点も大きな理由です。」
「また、寒い冬でも畳であれば足元が暖かく、床面の冷たい嫌な思いをする事もありません。」
ーー天童温泉共通テーマのユニバーサルデザインが随所に表現されてますね!
「ユニバーサル化という事で、通路から脱衣場、浴場まで多くあった段差を解消し、車椅子でもご利用いただける作りに変更しました。」
「また、どなたでも入り易い浴槽にすべく、車椅子の座面と同様の高さ45㎝にし、淵に腰かけてから湯舟に入れるよう工夫しました。」
ーー裕司社長が1番こだわった部分を教えてください!
「一番のこだわりは、前回改修したユニバーサルデザインルーム「白 HAKU」同様、最初の空間設計デザインや使用するもの、配置するものの選定を全てを自ら行った事です。なので、全体的にかなり愛着ありです(笑)」
ーー最後に一言お願いします
「旅館は、衣食住すべて日本文化を味わえる唯一の場所。全国的にも数少ない全館畳敷きの宿、畳敷きの温泉に非日常を味わっていただきたく、心を込めておつくりした料理と、心からのおもてなしで皆様のお越しをスタッフ一同お待ち申し上げます。」
なお、大浴場以外にも改修をした箇所がいくつかあります。
既存の南西棟露天風呂付き客室のドアを押し戸から引き戸に改修しました。
同館のエントランスに入ってすぐ右手に分湯地が整備されました。天童温泉は、自然の恵である源泉を未来に繋いでいくため共同管理しています。
その大切な資源を少しでも多くの方に感じ、寛いでいただくことができる休憩スペースになっています。
建物の北側の外構も改修し、木製の塀に行燈も取り付けられ暖かな雰囲気を演出しています。
基本情報
ほほえみの空湯舟つるや
山形県天童市鎌田本町2-5-14
TEL 023-654-2051